揺らぐ野党盟主の座 立民・枝野氏、都知事選で統一候補失敗に焦り





新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済的影響について商店街で聞き取り調査する立憲民主党の枝野幸男代表(左)=20日、東京都板橋区(千田恒弥撮影)

 立憲民主党の枝野幸男代表が、野党第一党の盟主として存在感を発揮できずに苦しんでいる。20日には東京都内で都知事選(7月5日投開票)への支援を訴えたが、告示前には野党統一候補の擁立に失敗し、負った傷が癒えていない。選挙の結果次第では次期衆院選に向けた野党再編で主導権を失いかねず、焦りは募るばかりだ。(千田恒弥)

 「命と暮らしを守るためにどういうリーダーが必要なのか判断してもらう大事な選挙だ。全党を挙げて応援したい」

 枝野氏は20日、東京都板橋区の商店街を視察後、記者団にこう語り、立民と共産党、社民党が支援する無所属の元日弁連会長、宇都宮健児氏の勝利に力を注ぐ考えを示した。この日は、共産の志位和夫委員長や国民民主党の小沢一郎衆院議員らと宇都宮氏の事務所も訪れた。

 枝野氏は当初、都知事選を次の衆院選を見据えた野党共闘の試金石と位置づけていたが、目算は狂った。れいわ新選組の山本太郎代表を野党統一候補として擁立することを模索したが、消費税減税など条件が折り合わず、山本氏がれいわの公認候補として独自に出馬。立民は宇都宮氏の支援を決断した。

 都知事選では、日本維新の会が推薦する無所属の元熊本県副知事、小野泰輔氏やNHKから国民を守る党の立花孝志党首も出馬して野党支持層の票が分散しており、現職で再選を目指す無所属、小池百合子知事のリードを許している。

 枝野氏は、宇都宮氏の支援態勢を国政選挙並みに引き上げて対応している。ただ、立民に対する山本氏の挑発的な対応を耳にすると、枝野氏は周囲に「どうせ、熱狂的な支持者だけだろう。勝手にすればいい」と過剰に反応する。

 枝野氏が敏感になっているのは、選挙結果が今後の野党再編の主導権争いに影響するからだ。仮に宇都宮氏が山本氏に競り負けた場合、立民主導の野党共闘の限界が露呈し、中心軸がれいわに移る可能性もある。

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