日本銀行が7月1日に公表する6月の企業短期経済観測調査(短観)の主な民間予測が20日までに出そろった。大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)は、民間金融機関やシンクタンク12社の予想平均でマイナス30と、前回3月調査から22ポイント悪化し、リーマン・ショック翌年の平成21年9月調査(マイナス33)以来の低水準に落ち込む見通しだ。緊急事態宣言は解除されたものの、6月短観は、新型コロナウイルス感染拡大による経済へのダメージが一段と鮮明になりそうだ。
DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数値。大企業非製造業の予想平均はマイナス18で、23年6月調査以来のマイナス転落が見込まれる。
中小企業の予想は、製造業がマイナス42、非製造業はマイナス32と、より深刻だ。「大企業に比べ資金繰りが厳しく、休業要請の影響を色濃く受ける宿泊・飲食サービスの比率が高い点も響く」(SMBC日興証券)ためだ。
令和2年度の設備投資計画は、大半が3月調査からの下振れを見込む。6月短観で全規模全産業の設備投資計画(除くソフトウエア・研究開発、含む土地)がマイナスとなれば、リーマン・ショック後の平成21年度以来となる。
短観の設備投資計画は調査回が進むにつれて上方修正される傾向がある。だが、前年度比3・1%減を予想する野村証券は「21年度は調査回が進むにつれ下方修正となっており、令和2年度も今後の調査で下方修正が続く可能性がある」と指摘する。