千葉県香取市の香取神宮で、拝殿など少なくとも5カ所に液体がまかれたようなしみが見つかっていたことが21日、同神宮などへの取材で分かった。被害の連絡を受けた県警は建造物損壊の疑いもあるとみて調べている。
同神宮によると20日早朝、拝殿を開けようとした当直の男性職員が発見した。しみは拝殿のほか、境内入り口付近にある総門や、参拝者が口や手を洗って身を清める手水舎(ちょうずしゃ)の荷物置き場などでも確認された。しみは茶色で、においは特になかったという。
防犯カメラを確認したところ19日夜、傘を差して何かを持った30~40歳の男が手を振るようなしぐさをする姿が写っていたが、しみとの関連は分かっていない。香田隆造総務部長は「どういう意図で、こういうことをしたのか。参拝者を冒涜(ぼうとく)する行為で憤りを感じる」と話した。
香取神宮は全国に約400社ある香取神社の総本社で、平成27年にも、国の重要文化財に指定されている楼門など十数カ所に油のような液体がまかれる被害があった。現在の本殿は元禄13(1700)年に徳川幕府によって造営され、楼門とともに国の重要文化財に指定されている。