不正に流出した暗号資産(仮想通貨)NEM(ネム)と知りながら取得したとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の罪に問われた医師、土井隆義被告(30)=北海道帯広市=は23日、東京地裁(西野吾一裁判長)の初公判で無罪を主張した。
弁護側は「前提となる流出の実行犯が特定できておらず、犯罪なのかどうかも分からない状態で、被告の犯罪は成立しない」と述べた。
起訴状によると、平成30年2~3月、仮想通貨の交換業者「コインチェック」から流出したネムと知りながら、パソコンなどを使い、当時のレートで約1億1千万円相当を取得したとしている。
検察側は冒頭陳述で、30年1月、当時のレートで約547億円相当のネムがコインチェックから流出したと説明した。警視庁は流出させた人物について、不正アクセス禁止法違反容疑を視野に捜査している。