「建国の父」ワシントンらも銅像破壊のターゲットに…トランプ大統領、厳罰で臨む姿勢 





22日、倒されそうになったホワイトハウス前の公園にある第7代ジャクソン大統領の銅像=米ワシントン(ロイター)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は23日、訪問先の西部アリゾナ州ユマでの会合で、全米各地で「黒人差別的」とみなされた歴史的な銅像や記念碑が破壊されている問題に関し「銅像を引き倒したり汚損した者に最長で禁錮10年を科すことができるようにすることを指示した」と述べ、厳罰で臨んでいく姿勢を打ち出した。

 首都ワシントンでは22日夜、数十人の暴徒がホワイトハウス前の公園に建てられている第7代ジャクソン大統領の銅像をロープや鎖で引っ張って倒そうとしたが、駆け付けた警官隊に撃退された。トランプ氏は暴徒らの行為を「闇討ちだ」と非難した。

 デモに参加している一部の黒人運動家や極左系の活動家は、ジャクソンや初代ワシントン大統領、第3代ジェファソン大統領について「生前に奴隷を所有していた」との理由で銅像や記念碑を破壊している。

 銅像などの破壊行為は当初、奴隷制を支持した南部連合政府に連なる政治家や軍人に集中していたが、最近はワシントンといった「建国の父」らを含め、標的が広範囲に拡大している。

 有識者からは「現在の尺度で過去を一面的に断罪し、米国が積み重ねてきた歴史を否定する行為」として懸念の声も出ている。



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