前経済産業相の菅原一秀衆院議員(58)=自民=の公設秘書が地元・東京9区の有権者に香典などを提供していた問題で、東京地検特捜部は25日、公選法違反寄付行為罪で告発されていた菅原氏を不起訴処分(起訴猶予)とした。香典を秘書が代理で渡すのは公選法で禁じられているが、実際に持参したのは全体の一部にとどまることなどから「公選法を軽視する姿勢が顕著とまでは言い難い」とした。
特捜部によると、菅原氏は平成29年7月~昨年10月ごろ、選挙区内の18人に故人の枕元に飾る枕花計約17万5千円相当を送ったほか、秘書が菅原氏の代理として9人に計12万5千円の香典を渡したとしている。
特捜部は、大半の葬儀や通夜には菅原氏本人が出席しており、「(処分)対象とした事実はあくまで例外的」と判断。菅原氏が経産相を辞任し、今月16日には記者会見で違法性を認めて謝罪したことなども考慮した。
菅原氏は「今回告発されたことを重く受け止めるとともに、不用意に行ったことを心から反省している」とのコメントを発表した。