ロシアが、不法占拠する北方領土周辺を含めた広大な海域を指定して、3カ月間にわたり地質調査を行うと日本側に通告し、日本政府が外交ルートで抗議していたことが25日、政府関係者への取材で分かった。
外務省などによると、ロシア側は6月18日~9月18日の期間に、オホーツク海の広大な海域で地質調査作業を行うと通告。指定海域には北方領土周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)も含まれており、日本政府は17日付で「北方4島に対するわが国の立場と相いれず、受け入れられない」などとロシア側に抗議した。
同海域には、石油などの海底資源があるとされ、ロシアは過去にも調査を行ったことがある。日本政府は資源の埋蔵状況などを調べる海洋調査を実施する可能性があるとみて、状況を分析している。
国連海洋法条約に基づき沿岸国は、領海の基線から200カイリ(約370キロ)までの海域でEEZを設定できる。沿岸国に無断でEEZ内の海洋調査を行うことは、認められていない。
ロシアは北方領土の実効支配を強める政策を進めており、経済活動の拡大のほか、軍備増強や演習も相次いで実施してきた。