日本旅行業協会は1日、新型コロナウイルスの影響により、4~8月で計2兆円を超える国内主要旅行業者の売り上げが失われたとする推計を発表した。足元では人の移動が増え始めているとして、10月ごろ一部地域への海外旅行再開を見込む。感染防止対策を徹底し、需要喚起に取り組む。
推計は主要10社の平均旅行取扱額から算出した。5月は前年同月比99・4%減の27億円と落ち込みが最大。4、6月もそれぞれ96・7%減の147億円、97・5%減の105億円と見積もった。7月からは徐々に回復傾向としている。
国内旅行が増えていくことから、貸し切りバスでのコロナ対策ガイドラインをまとめ、公開。海外旅行や外国人観光客についてもガイドラインを作成中で、アジア地域からの旅行再開に向け準備を整えている。
坂巻伸昭会長は東京都内で記者会見し「安心な旅の実現が大きな課題だ」と述べ、旅行需要の回復のため安全対策を優先する考えを示した。