旧優生保護法(昭和23~平成8年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、視覚障害のある浜松市の武藤千重子さん(71)が3日、国に3300万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁浜松支部に起こした。
訴状によると、武藤さんは小学生のころに視力が低下し、高校を卒業して就職した昭和42年に白内障と診断された。49年に結婚し長女を出産。52年に次女を出産した直後に、入院していた医院の婦長から「3人目は(目の疾患が)遺伝しないとは限らない」と言われ、不妊手術を強いられたとしている。武藤さんは第3子を望んでいたのに、手術により産めなくなり「著しい精神的苦痛を被り続けている」と訴えている。