アジアの金融センター 香港からシンガポールに? 

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シンガポールの金融街=6月2日(共同)

シンガポールの金融街=6月2日(共同)

 【シンガポール=森浩】中国による香港国家安全維持法(国安法)の施行で、アジアの国際金融センターとして発展してきた香港から、人材や資金が流出するのではないかとの観測が広がっている。移動先として注目されているのが、アジアの金融ハブとして香港と並ぶ存在感を示してきたシンガポールだ。だが、シンガポール政府は、香港からの流入を表立って歓迎する姿勢は見せていない。中国を政治的に刺激する恐れがあると警戒しているもようだ。

 「香港から企業が(相次いで)撤退する場合、シンガポールが勝者になる可能性がある」。米ネットメディア「ビジネス・インサイダー」は、国安法が香港での経済活動にも影を落とすと想定し、シンガポールが利益を得るとする金融アナリストの見方を伝えた。

 英シンクタンク「Z/Yenグループ」による今春の世界金融センターのランキングで、シンガポールは5位、香港は6位につけていた。いずれも限られた面積ながら、金融マーケットの利便性や法人税率の低さで、日本を含む多数の海外企業を引き寄せてきた。

 シンガポールは東南アジアに位置するが、英語も中国語も公用語に含まれ、中国経済との結びつきも深いため、香港の代替地になりやすいとみられている。

 しかも資金の動きはすでにシンガポールに向かっているとの観測もある。シンガポール金融管理局(MAS)は先月、4月末の外貨預金残高が7810億シンガポールドル(約60兆円)に上り、前年同月比で約20%増えたと公表している。

 MASでは、資金の流入は「単一の国や地域からではない」と説明しているものの、米ブルームバーグ通信は、「問題を抱えたライバル(香港)からの資本逃避ではないか」との見方も示している。

 ただ、シンガポールは慎重な姿勢も示している。外交筋によると、香港で中国の統制強化に抗議するデモが続いた昨年夏、シンガポール政府は富裕層向けの資産管理会社などに対し「香港の混乱を利用するな」との指導を行ったという。

 香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、シンガポールは香港情勢について「沈黙を保っている」と表現。仏経営大学院「インシアード」シンガポール校のアントニオ・ファタス教授(経済学)は同紙の取材に、「アジアの政府が自国に(香港から)企業を誘致するために強い発信をするとは思えない」と指摘し、対中配慮が働いている可能性を示唆した。

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