JR東海は8日、静岡県との対立で着手が遅れているリニア中央新幹線の静岡工区のトンネル工事をめぐり、県が7日に準備工事を認めないとの認識を示したことについて「大変残念である」とのコメントを発表した。
JR東海はコメントの中で、県に対して着手を求めている準備工事を「そもそも水資源への影響を与えない工事」と指摘。金子慎社長が川勝平太知事と6月に会談した際、準備工事に着手したからといって「トンネル掘削工事をなし崩し的に行わないことを約束した」と強調し、「今回も着手にご了解いただけず大変残念」とした。
JR東海は、予定の令和9年の東京・品川-名古屋の開業を実現するためには、6月中に静岡工区の準備工事に着手する必要があるとしていたが、現在も着工できておらず、今月3日に「残念ながら9年開業は難しい」と表明。一方で県の意向をただすために、会談後2度にわたって質問状を送付していた。