内閣府が9日発表した5月の機械受注統計(季節調整値)は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月比1・7%増の7650億円で、3カ月ぶりにプラスとなった。基調判断は「足元は弱含んでいる」と据え置いた。
わずかな増加となったものの、新型コロナウイルス感染拡大による製造業を中心とした企業活動の停滞が響き、4月に続いて約6年ぶりの低水準となった。
5月の船舶・電力を除く民需のうち、非製造業が17・7%増の4783億円と上昇幅が大きかった。業種別では鉄道車両の大型受注があった「運輸業・郵便業」が63・5%増、「通信業」が33・0%増だった。
一方、製造業は15・5%減の2824億円となり明暗が分かれた。化学機械などの受注が減った「その他製造業」が25・7%減となったことなどが響いた。
船舶・電力や官公庁、外需を含む受注総額は11・0%減の1兆8685億円だった。機械受注統計は、主要な機械メーカー約280社が対象で、企業の設備投資意欲をみる代表的な指標になっている。