米国務省、中国を核軍縮への「誠実な協議」に招待





6月23日、ウィーンで記者会見する米国のビリングスリー大統領特使(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省のオルタガス報道官は9日、米国とロシア、中国による核軍縮条約の実現に向け、ビリングスリー大統領特使(軍備管理担当)が中国をウィーンでの「誠実な協議」に招待するとの声明を発表した。

 声明は、中国外務省の傅聡軍縮局長が8日、「もし米国が中国の水準まで核兵器の数を減らす用意があるなら、喜んで(交渉に)参加する」と発言したのを受けたもので、オルタガス氏は「中国が軍備管理交渉に関与する姿勢を示したことを歓迎する」と応じた。

 米露は、来年2月に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)の延長問題で、7月末ごろにウィーンで高官協議を行う見通し。米政権は協議の場に中国を招待し、まずは米中、続いて米中露で話し合おうとしている可能性がある。

 ただ、傅氏は8日の発言で「実際にはそうはならないだろう」とも述べており、中国が協議に応じるかは定かでない。

 オルタガス氏はまた、米中露の3カ国による軍備管理交渉の開始に向け、中国に対し「ロシアと早期に会合を持つことを推奨する」と訴えた。

 同氏は「3カ国に意見の相違があるのは事実だ」と指摘しつつ「今は3大核兵器国が新たな軍拡競争の予防に向け、対話と外交を進めるときだ」と強調した。

 中国は米中露の枠組みの核交渉への参加を拒み続けており、6月にウィーンで開かれた核軍縮をめぐる米露高官協議でも米国の参加要請に応じなかった。



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