【シドニー時事】オーストラリア東部ニューサウスウェールズ州の保健当局は3日、コウモリにかまれた州内の50代男性が死亡したことを明らかにした。
コウモリが持つリッサウイルスに感染したことが原因。当局は、どの種類のコウモリからも感染する恐れがあるため「絶対に触らないで」と注意を促している。
男性は数カ月前にコウモリにかまれ、治療を受けていたが、今週になって容体が急変した。当局によると、リッサウイルスは狂犬病ウイルスと似た性質を持ち、感染すると初期に発熱や頭痛などの症状が表れる。重度になるとけいれんや意識混濁を起こし、死に至ることがある。感染が確認されたのは豪州で4例目。
当局は「コウモリにかまれたり引っかかれたりしたら、すぐに傷口を水とせっけんで15分間洗い、狂犬病ワクチンなどの治療を受けることが必要だ」と説明。弱ったコウモリを見つけても自分で保護せず、専門家に任せるよう呼び掛けている。