日産「N7」中国EV市場で快進撃:発売1ヶ月で受注1.7万台突破

2025年4月27日に東風日産から発売された電動セダン「N7」が、わずか1ヶ月で受注台数17,215台を突破し、中国市場で好調なスタートを切りました。この日産N7は、激しい競争が続く中国の電気自動車(EV)市場において、地元メーカーと競合するために開発された中国専用モデルであり、先進技術と戦略的な価格設定が特徴です。日産はN7を足がかりに、中国市場での再浮上を目指し、今後も複数の電動車を投入する計画です。

中国市場で好調な日産電動セダン「N7」のフロントビュー中国市場で好調な日産電動セダン「N7」のフロントビュー

人気セグメントを狙った車両概要

N7は、中国市場で特に人気の高い全長約4.9mのミドルサイズセダンセグメントをターゲットとしています。駆動用バッテリーは58kWhと73kWhの2種類(いずれもLFPバッテリー)が設定され、中国のCLTCモードで最大635kmの航続距離を実現しています。充電性能にも優れており、わずか15分でバッテリー容量の30%から80%まで急速充電が可能です。

先進技術と快適性の追求

自動運転技術では、中国の自動運転分野大手であるモメンタ社と東風日産が共同開発した先進運転支援システム「Navigate on Autopilot」を搭載。AIによる姿勢調整機能を備えたゼロプレッシャーシートは、12点マッサージ機能や空気圧式クッションを備えるなど、「スパ級」とも称される快適性を提供します。

成功を支える市場の反応と価格戦略

日産がN7の主要ターゲット層として想定していたのは若いファミリーユーザーでしたが、実際の購入者の多くは35歳以下となっており、狙いが的中した形です。東風日産によると、N7購入者の約70%が日産車を初めて購入する新規顧客層です。これは、N7が既存の日産ファンだけでなく、新たな顧客を獲得する上で大きな成果を上げていることを示しています。車両自体の高い完成度に加え、エントリーモデルが11.99万元(日本円で約239.9万円※発表時レート)という競争力のある戦略的な価格設定が、この好調な出だしに大きく寄与していると考えられます。

今後の展望

東風日産N7の発売初月の好調な受注実績は、日産が中国EV市場で存在感を再び示すための重要な一歩です。新規顧客の獲得と競争力のある価格設定が奏功しました。日産は、N7の好調を追い風に、中国における電動化戦略を加速させていく方針です。

参考資料

Yahoo!ニュース (ベストカーWeb)