【ソウル=名村隆寛】韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が在任中に親友で女性実業家の崔順実(チェ・スンシル)受刑者と共謀し、財閥のサムスングループをはじめとした企業や情報機関、国家情報院から巨額の賄賂や上納金を受け取ったとして収賄や職権乱用などの罪に問われた裁判の差し戻し控訴審で、ソウル高裁は10日、朴被告に懲役20年(求刑・懲役35年など)の実刑判決を言い渡した。
差し戻し前の2審は、財閥がらみの国政介入事件で懲役25年、国情院事件で懲役5年と別々の審理での判決だったが、いずれも韓国最高裁が昨年の上告審で差し戻し、高裁は合わせて審理した。検察は5月の論告求刑公判で、収賄罪で懲役25年、職権乱用などの罪に対し懲役10年をそれぞれ求刑した。今回の判決では差し戻し前の2審判決よりも懲役が10年少なくされ、大幅な減刑となった。
崔受刑者は先月、上告審で上告が棄却され、懲役18年などとした差し戻し審での実刑判決が確定した。朴被告は2017年10月から裁判をボイコットしており、この日の判決公判にも出廷しなかった。