記録的な大雨に見舞われ、土砂崩れや浸水被害が相次いだ九州豪雨の被災地では12日、清掃活動が本格化し、行方不明者が出た現場では警察や消防、自衛隊が捜索を継続。気象庁によると、九州を含む西日本、東日本では同日も局地的に雷を伴う非常に激しい雨が降るとみられる。これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっており、引き続き厳重な警戒が必要だ。
九州豪雨で被害が大きかった熊本県人吉市では、自衛隊が粗大ごみの撤去作業を本格化させた。人吉市上青井町では12日、住民によって廃棄された畳や木材、冷蔵庫、テレビなどを運び出した。
住民からは「畳にうじ虫が湧いている」などの声が出ており、自衛隊員は積み上がった畳に薬剤を散布した。現場指揮官は「災害から1週間が過ぎ、ごみの影響が地域で出ている。なるべく早く対象地域の畳を撤去したい」と話した。
九州の死者は65人、行方不明は12人となっている。死者の内訳は熊本県61人、福岡県2人、長崎、大分両県がそれぞれ1人。行方不明の内訳は熊本県6人、大分県5人、鹿児島県1人。
国土交通省によると、12県の101河川の氾濫を確認し、全国で少なくとも1550ヘクタールが浸水した。土砂災害は27府県の計282カ所で発生したとしている。