【ワシントン=黒瀬悦成】11月の米大統領選と同時実施の下院選に向けて東部ニューヨーク州の民主党候補を決める予備選で、下院外交委員長を務める現職のエリオット・エンゲル議員(73)が17日、黒人で急進左派の新人、ジャマール・ボウマン氏(44)に敗退した。予備選は先月23日に行われ、同氏の有利が伝えられていたが、郵便投票の開票が長引き、結果判定が遅れていた。
ボウマン氏が出馬した同州16区は民主党の地盤で、11月に同氏が当選するのはほぼ確実とみられている。
エンゲル氏は1988年に初当選した民主党のベテラン議員で、ペロシ下院議長やクリントン元国務長官など同党主流派の支持を受けていた。
しかしここ数年、若手の民主党支持者を中心に急進左派を擁立する動きが活発化しているのに加え、白人警官による黒人暴行死事件を受けた差別解消運動の盛り上がりを受けてボウマン氏に支持が集まった。
ボウマン氏は元中学校長で、左派系の政治団体「米国社会民主主義者」の地区代表を務めている。
民主党の下院予備選ではほかに、中西部イリノイ州で中道穏健派の現職、ダン・リピンスキ議員が左派のマリー・ニューマン氏に敗退している。