【パリ=三井美奈】新型コロナウイルスによる経済的打撃に対処するため、7500億ユーロ(約92兆円)の「復興基金」について合意を目指す欧州連合(EU)首脳会議は19日、3日目の協議を行った。17、18日の当初日程で対立が埋まらず、協議は延長された。
復興基金はコロナ禍で打撃を受けた国々に補助金を支給するため、EUが共同で借金する仕組み。財政健全国のオランダやオーストリアは返済義務のない補助金より、融資を重視すべきだとの立場で、ミシェルEU大統領が18日に示した修正案に同意しなかった。
マクロン仏大統領は19日、(1)補助金の総額(2)受給国に課す条件(2)使途にEUが関与できる度合い-などで協議が難航していると明かし、「よい妥協案を目指している」と述べた。
当初案では7500億ユーロの基金総額のうち補助金を5千億ユーロ、融資分を2500億ユーロにする計画だった。欧州メディアによると、ミシェル氏は18日、補助金を4500億ユーロに減らし、融資分を3千億ユーロに増やすよう提案した。オーストリアのクルツ首相は19日、ツイッターで「正しい方向だが、道のりは長い」として、ミシェル氏の案は不十分との立場を示した。