11月に行われる見通しの栃木県知事選で福田富一知事(67)が20日、5選を目指し立候補する意向を明らかにした。宇都宮市内で開かれた自身の後援会の会合で「引き続きリーダー役を務め、職責を果たせればと決意した」と述べた。すでに元NHK宇都宮放送局長の田野辺隆男氏(60)が出馬表明しており、選挙戦となることが固まった。
会合には自民・公明両党の議員や首長ら約200人が出席。「危機には経験が物を言う」(茂木敏充外相)、「知識・経験・人脈という財産を生かし切ってほしい」(後援会総連合会幹事長の板橋一好県議)、「(各自治体の)首長とあうんの呼吸で相談できる」(県市長会長の佐藤栄一宇都宮市長)などと5選出馬を求めた。
これを受ける形で福田氏が登壇し、「『百年に一度の風水害』が毎年のように来る時代に、行政が県民の生命財産を守らなくては。『老馬』の福田に任せてほしい」と、出馬の意向を示した。今後、自公両党と調整しながら公約の柱をまとめ、8月前半に開く記者会見で正式に表明する。
県では過去に5期以上務めた知事はおらず、福田氏自身も「権腐十年」が信条と公言してきた。「4期での勇退を考えていた」という福田氏の背中を押したのは、自民県連の有力者ら。会合後の取材に福田氏は「『人材を育て、スムーズにバトンを渡せるようにするのが務め』と指摘された」ことを明かし、「自らを律し、常に初心者の気持ちで臨む」と多選への理解を求めた。(山沢義徳)