香港立法会選 黄氏、立候補届け出





 20日、香港・九竜地区で立法会選挙への立候補届け出を前に記者会見する民主派の黄之鋒氏(共同)

 【香港=藤本欣也】香港の著名な民主活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(23)が20日、9月の立法会(議会)選への立候補を届け出た。「香港基本法」(ミニ憲法)の順守を誓約する文書への署名は拒否した。黄氏と同じ「抗争派」に属する民主派の立候補予定者の間で、同調する動きが広がっている。

 6月末に施行された「香港国家安全維持法」(国安法)は選挙への立候補者に対し、誓約を義務付けている。拒否すれば、今後行われる選挙管理委員会の審査で、立候補資格がないと判断される懸念もある。

 民主派は、国安法を含む基本法の順守を誓約することはできないとする“署名拒否派”と、選挙に出ることが先決だとする“署名容認派”に分かれている。

 黄氏は20日、自身の立候補が認められるかどうかについて「署名の有無ではなく、中国の国策や外交に関する問題だ」とコメント。さらに、政権側が署名問題を民主派を分断する道具に使っていると指摘して、これで民主派同士が対立すべきでないと主張した。

 香港では同日、新型コロナウイルスの新規感染者が70人以上も判明するなど、感染拡大が続いている。このため親中派の有力者からは、感染状況が改善しないようなら「立法会選の延期も考慮すべきだ」との意見も出始めた。

 現在、香港では防疫措置として5人以上の集会が禁止されており、選挙運動も今後、大きな影響を受ける恐れがある。



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