し尿くみ取り券の売上代金詐取　容疑で元市職員を逮捕

　くみ取り式トイレの屎尿（しにょう）処理を業者に依頼するための「し尿くみとり券」を販売する商店から売上代金計約９０万円をだまし取ったとして、大阪府警泉南署は２０日、詐欺容疑で、元大阪府泉南市職員で無職、正岡美彦容疑者（５７）＝大阪府阪南市舞、懲戒免職＝を逮捕した。府警は認否を明らかにしていない。

　府警や泉南市によると、正岡容疑者は平成２１年４月から３１年３月まで、券の販売を委託している商店などから売上金を集金する業務を担当。同年４月に異動した後も、担当を続けているように装い、委託先を回っていたという。

　逮捕容疑は昨年５～８月、券を販売している商店主２人に「そろそろ集金に行ってええかな」などと電話し、売上金計約９０万円をだまし取ったとしている。

　府警によると、今年５月に店主２人が同署に被害届を提出。正岡容疑者をめぐっては、実際に集金業務を担当していた間に売上金約４２万円を着服したとして、市が業務上横領罪で告訴している。