先の大戦に敗れた日本を統治したGHQ(連合国軍総司令部)が接収したとされる巨額資産「M資金」をめぐる詐欺事件で、会社役員の70代の男性から現金計約28億3千万円をだまし取ったとして、神奈川県警捜査2課は22日、詐欺容疑で東京都港区海岸、無職、武藤薫容疑者(66)ら3人=同容疑で逮捕、処分保留=を再逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は、平成30年6~12月の間、「(M資金を原資として)2800億円の資金提供ができる」などと嘘を言い、男性から計約28億3千万円を詐取したとしている。
同課によると、男性に対して「2800億円の1%の見せ金があれば、いよいよ資金提供できる」などと偽り一度に約28億円を振り込ませた上、交渉費や資金を管理する倉庫代などの名目でさらに約3千万円を詐取したとみられている。
他に再逮捕されたのは中央区日本橋浜町、無職、飯田正志容疑者(79)と、あきる野市秋川、無職、五十嵐文昭容疑者(59)。3人はこの男性から計約3億2千万円をだまし取った疑いで逮捕されていた。同課は、他に約20人が同様の被害に遭ったとみて全容解明を進める。