【ワシントン=黒瀬悦成】米司法省は26日までに、中国情報機関の工作員として米国で情報収集活動をしたとして、シンガポール国籍の男(39)を起訴した。
司法省などによると、起訴されたのはディクソン・ヨー被告。2015年に北京に渡航した際に中国情報機関と関係を構築し、架空の外交コンサルタント会社を設立したほか、ビジネス特化型の交流サイト「リンクトイン」を通じて米軍や米政府関係者に接近した。
また、15年前後に米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F35計画に携わる民間人と接触。日本のF35導入による地域情勢への影響に関する情報を入手し、中国情報機関に報告したとされる。
ヨー被告は19年11月に米国内で拘束され、米政府への届け出なしに外国政府の代理人として活動した罪に問われた。罪を認めており、最高で禁錮10年の刑が科せられる。