筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の女性から依頼され、薬物を投与して女性を殺害したとして嘱託殺人容疑で医師2人が京都府警に逮捕された事件で、大久保愉一(よしかず)容疑者(42)とみられる人物が、インターネット上に安楽死を請け負う医師を主人公とする小説を投稿していたことが31日、分かった。府警は動機の解明につながるとみて、関連を調べている。
問題の小説は、ネット上の小説投稿サイトに昨年6月、大久保容疑者のツイッターのアカウント名と同じつづりのユーザー名で投稿されていた。
小説は、患者を安楽死させた医師に警察の捜査が及ぶという内容。主人公の医師が「いつまで経(た)っても法制化されず、死にたい人がスイスなどに渡航して、業者に数百万円を払って死なせてもらうという、いびつな世の中だよな」などと考える場面が描かれており、大久保容疑者がツイッターやブログなどで表明していた考えに沿った内容となっている。
事件では、大久保容疑者と山本直樹容疑者(43)の2人が共謀、ALSで寝たきり状態となっていた京都市中京区の無職女性=当時(51)=に頼まれ、昨年11月30日、致死量の薬物を投与して殺害したとされる。