中核派拠点を警視庁が家宅捜索 関係者が立ち入りの捜査員を検温


中核派拠点を警視庁が家宅捜索 関係者が立ち入りの捜査員を検温

 警視庁公安部は16日、テロ・ゲリラ事件を繰り返してきた過激派「中核派」の拠点「前進社」(東京都江戸川区)を家宅捜索した。今年9月に約半世紀ぶりに姿が確認された中核派リーダーの清水丈夫議長(83)の動向など、活動実態を慎重に調べている。

 公安部は12日、中核派活動家の八木康行容疑者(48)を免状不実記載・不実記載免状行使容疑で逮捕していた。新型コロナウイルスの経済対策で支給される「特別定額給付金」を申請する際に実際には住んでいない前進社の住所が記載された運転免許証を示したとしており、家宅捜索は同容疑で16日午前8時過ぎに始まった。建物の鉄の扉を切断するために機動隊員がエンジンカッターを動かすと、周囲に火花が散った。

 立ち入りを拒もうとする活動家と、捜査員の間でもみ合いも発生。新型コロナウイルス対策だとして、中核派の関係者が捜査員一人一人の額に体温計を当てて検温していた。捜査関係者によると、捜索には清水議長も立ち会い、書類や機関紙など十数点を押収して、約3時間後に終了した。

 八木容疑者は地下に潜伏する「非公然活動家」で、表に出て活動する他のメンバーに指示を伝えたり、活動資金を渡したりする「脈管(みゃっかん)」と呼ばれる連絡役の一人だという。清水議長も非公然活動家のため、公安部は八木容疑者が1969年から潜伏生活を続けていた清水議長の動向を知っていた可能性もあるとみている。

 清水議長は、9月に都内で開かれた中核派の政治集会で約半世紀ぶりに姿を見せ、近年の活動の停滞や組織内の混乱の責任を取る考えを表明。11月1日に東京・日比谷公園で開かれる労働者集会にも出席する予定で、公安当局が動向を注視している。【斎藤文太郎】



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