シータ2DGiエンジン [写真 現代自動車]
現代・起亜車が品質問題を根絶するため組織刷新と業務プロセスの改善に着手する。シータ2エンジンの欠陥のため19日に過去最大規模の3兆4000億ウォン(約3150億円)を引当金として計上したが、その後続措置だ。
現代車グループによると、現代・起亜車は品質情報組織と問題改善組織を統合するなど、品質問題に関する全般的な業務プロセスを改善する計画だ。まず、これまで提起された品質不満事例をデータ化する。過去の事例と随時発生する各種不満事例を分析し、統合された品質管理システムに統計化するということだ。
◆品質問題をデータ化し、部門間の境界なくす
また、車両無線インターネットサービスのテレマティクスサービスや車両内センサーを活用し、異常信号を事前に感知して対処できるよう準備する。シータ2DGiエンジンが搭載された車両にエンジン振動感知システム(KSDS)を適用するのもこうした方針の一環だ。
部署間の協力体系も強化する。問題が発生すれば該当部署が情報を独占して独自で解決する慣行を捨てる。車両を開発する研究所から販売後の車両整備を担当するサービス部門まで境界をなくす。意思決定過程も簡素化する。
◆「品質問題による利益減少が日常化」
しかし現代・起亜車のこうした措置に対しては否定的な見方もある。現代・起亜車はすでに年初、市場品質改善革新タスクフォース(TF)を設置して運営している。にもかかわらずニューグレンジャーのエンジンオイル漏れ、コナエレクトリックの火災など品質問題が続いてきた。さらに現代車の場合、今年7-9月期には1兆ウォン台の営業利益回復が期待されたが、2兆3000億ウォンの引当金を計上したことで赤字が避けられなくなった。現代・起亜車は26日に7-9月期の業績発表を控えている。
イーベスト投資証券のユ・ジウン研究員は報告書で「現代・起亜車は2015年から5回にわたり品質イシューが発生した」とし「品質関連の偶発的利益毀損が定期的に発生し、長期業績の持続可能性も疑問視される」と指摘した。続いて「品質関連費用の規模も毎年増えている」とし「市場が信頼を回復するまで一定の時間が必要とみられる」と話した。
ユ研究員は「今回の販売保証費用の反映はシータ2エンジンだけでなく、ガンマ、ニュー、シータMPIエンジンにまで拡大適用した」とし「世界で販売されたニュー、ガンマエンジンの場合、長期的な不確実性要因となるかもしれない」という見方を示した。
◆「電気自動車・UAMなどで先制的な欠陥防止を」
信栄証券のムン・ヨングォン研究員も「先制的な費用の反映で今年の業績への期待感が形成されるという点はプラス」としながらも「北米を除いた市場での品質イシューの可能性、依然として米検察のリコール適正性調査が進められている点などは看過できない不確実性要因」と指摘した。
続いて「現代・起亜車は電気自動車、燃料電池自動車、自動運転、都市航空交通(UAM)など安全性が何よりも重要な次世代技術のトップ走者として名乗り出ただけに、先制的な品質コスト反映ではなく先制的な欠陥防止策を樹立し、根本的な品質改善努力をすることが要求される」と強調した。
現代車グループの関係者は「製造業の特性上、品質問題の発生は避けられず、発生時に迅速かつ適切な措置で顧客の満足に努力する」とし「米高速道路交通安全局(NHTSA)が現代・起亜車の迅速な対応を高く評価するなど前向きな側面もある」と述べた。
鄭義宣(チョン・ウィソン)現代車グループ会長は14日の就任のあいさつで「我々の理想を実現するためのすべての活動は顧客中心でなければいけない。顧客の幸せの第一歩は、完ぺきな品質を通じて顧客が生活に集中できるようサポートすること」と述べ、品質を強調した。