入院中の女性患者に薬物を投与し、わいせつな行為をしたとして、島根大学医学部付属病院の元勤務医、梅本洵朗(じゅんろう)被告(29)(島根県出雲市白枝町)=窃盗罪などで起訴=が逮捕された事件で、わいせつ行為のあった当時、梅本被告が当直勤務中だったことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は当時の梅本被告の行動や動機を慎重に調べている。
梅本被告は昨年2月7日夜、女性患者を昏睡(こんすい)状態にしてわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ容疑で今月27日逮捕された。
捜査関係者によると、巡回していた看護師が女性の異変に気づき、病院側は「薬物を投与された可能性がある」として、県警に相談した。梅本被告は当時、当直勤務に当たっており、調べに容疑を認め、「女性の顔も名前も覚えている」と供述している。
梅本被告は今年4月、専門性を高める研修の一環として期限付きの形で、県立中央病院に採用された。付属病院在籍当時の窃盗容疑などで今月7日に逮捕され、同23日付で辞職した。
院内で発生した準強制わいせつ容疑での逮捕を受け、付属病院の井川幹夫病院長は「信頼回復に向けて取り組む」とのコメントを出した一方、梅本被告の在籍期間や当時の所属、経緯などを、一切明らかにしていない。理由について、付属病院は「捜査に協力しているため」としている。