【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選は3日午前6時(米東部時間、日本時間同午後8時)、投票が始まる。全米の平均支持率でリードを保つ民主党のバイデン前副大統領(77)に対し、共和党のトランプ大統領(74)は南部や東部の激戦州で猛追し、10月31日から3日間の選挙運動で2016年の前回大統領選と同様の「土壇場の逆転勝利」を再現することに望みを託している。
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政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた主な全米世論調査の平均支持率(10月31日現在)は、バイデン氏が51・3%とトランプ氏の43・5%に7・8ポイント差をつけている。
トランプ氏は前回、投票日まであと3日の時点で民主党のクリントン候補に2・1ポイント差まで追い上げており、全米の平均支持率をみる限りでは前回と同様の勢いには至っていない。
ただ、トランプ氏が前回選で制し、今回も勝敗の行方を左右するとみられる6つの激戦州の平均支持率(同日現在)は、同氏が3・4ポイント差まで追い上げた。
特に、南部フロリダ(大統領選挙人数29人)とノースカロライナ(15人)、西部アリゾナ(11人)の3州では、両者の支持率はほぼ互角となった。一方、残る3つの激戦州でのバイデン氏とトランプ氏の支持率の差は中西部ミシガン(16人)で7・3ポイント、ウィスコンシン(10人)で5・7ポイント、東部ペンシルベニア(20人)では4・1ポイント差となっている。
全米50州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人538人の過半数270人を確保した候補が勝利する大統領選で、トランプ氏が再選を果たすには、最低でも南部と西部の激戦3州に加え、中西部と東部の3州のうち少なくとも1州を制する必要がある。トランプ氏としては、着実に追い上げつつあるペンシルベニア州を何とか確保したい考えだ。
一方、バイデン氏は中西部と東部の激戦州で優勢にあることを視野に、前回大統領選でトランプ氏がクリントン氏に5ポイント以上の差をつけて制した中西部オハイオ(18人)とアイオワ(6人)に加え、共和党の伝統的地盤である南部テキサス(38人)やジョージア(16人)で攻勢をかけ、トランプ氏を揺さぶる。バイデン氏はこのうち、オハイオとアイオワ、ジョージアで支持率をほぼ互角に持ち込んだ。
統計分析サイト「ファイブサーティーエイト(538)」は10月31日、バイデン氏の当選確率は89%、トランプ氏は11%と算出した。同サイトは前回大統領選で、同時期のトランプ氏の当選確率を35・3%としていた。