[デトロイト(ミシガン州)/レディング(ペンシルべニア州) 31日 ロイター] – 米大統領選の期日前投票を済ませた有権者の数が31日までに9000万人と、過去最高を記録したことが分かった。2016年大統領選の投票者数の約65%にあたる数字で、選挙への高い関心がうかがえる。
投開票日の3日に混雑した投票所で新型コロナウイルスにさらされるリスクへの懸念もあり、郵送による投票や、期日前投票をする人が増加した。
世論調査によると、全国的には民主党候補のバイデン副大統領が共和党候補のトランプ大統領をリードしているが、勝敗を決する激戦州のほとんどでは、支持率の差は全国の数値より小さくなっている。新型コロナウイルス対策は、有権者の最大の関心事の1つだ。
トランプ大統領は、郵送による投票は不正が起きやすいと繰り返し主張しているが、証拠は示していない。最近では、投票日当日に集計された票だけが有効だと主張。選挙陣営は、不在者投票の制限を求める法的手続きを起こしている。
これに対し、ミシガン州フリントで選挙集会を開いたバイデン氏は、「ドナルド・トランプが何をしようとも、国民が圧倒的な数で投票し、民主主義を取り戻すのを止めることはできない」とけん制した。集会にはオバマ前大統領も参加した。
トランプ氏は31日、激戦州ペンシルベニアで4回選挙集会を開いた。トランプ陣営は、フィラデルフィア郊外や、州西部のラストベルト(さびついた工業地帯)で態度を決めかねている有権者の取り込みを狙っている。同州レディングで開いた集会でトランプ氏は、「ペンシルベニアで勝てれば、それで終了だ」と訴えた。
ペンシルベニアやウィスコンシンなどいくつかの州の選挙当局者は、郵送票の開票が終わるまでに数日かかる可能性があるとしており、勝敗がこれらの州の結果次第となる場合は、勝者が確定しない状況が数日続く可能性がある。
テキサス州では2日、民主党優勢のハリス郡で行われたドライブスルー方式の投票の合法性に関する緊急審理が連邦地裁で予定されている。投票済みの10万票超を無効とするかどうかが焦点となる。
アイオワ州では、デモイン・レジスター/メディアコムが31日に発表した世論調査で、トランプ氏の支持率が48%と、バイデン氏を7ポイント上回って逆転している。
(Reporting by kyoko yamaguchi)