韓経:サムスン「スマホの頭脳」をシャオミ・OPPOに搭載…AP市場で世界3位の座固める


「陳博士がやりたいように育ててみなさい」。

1997年初め、李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン会長が当時最高の半導体専門家に挙げられる陳大済(チン・デジェ)サムスン電子副社長を呼んで非メモリー半導体事業(システムLSI事業部)を任せた。「メモリーだけ1位」という中途半端の代わりに「完全なタイトル」を持つためだった。それから20年間続いた粘り強い投資のおかげで最近システムLSI事業部はシャオミなど海外のスマートフォンメーカーに移動通信の核心半導体であるアプリケーションプロセッサ(AP)を供給できるほど技術力が上がった。

◇中国のスマートフォンメーカーを顧客として誘致

2日の半導体業界によると、サムスン電子システムLSI事業部は来年世界3位のスマートフォンメーカーの中国シャオミ、5位の中国OPPOにスマートフォン用AP「エクシノス」を納品する予定だ。APはデータ演算や通信などを担うスマートフォンの核心部品だ。最近会ったサムスン電子高位関係者は「シャオミとOPPOのスマートフォンにエクシノスチップが入るのか」という記者の質問に「そうだ」と答えた。

現在システムLSI事業部の主要顧客はギャラクシーフォンを販売するサムスン電子無線事業部と世界6位のスマートフォンメーカーである中国Vivoだ。サムスン電子は来年上半期にシャオミとOPPOの中低価格スマートフォンの一部モデルにAPを納品する計画だとされる。米クアルコムが主に納品するプレミアムAPと関連してはサムスン電子が技術力を認められた上で納品できると予想される。

エクシノスのシャオミとOPPOへの納品はサムスン電子システムLSI事業部の外部顧客拡大戦略の一環と評価される。エクシノスAPは2010年代半ばまでは主にサムスン電子のギャラクシーにだけ使われていた。クアルコムのチップを一緒に使ったサムスン電子無線事業部はエクシノスをクアルコムとの価格交渉の際にてことする「交渉カード」として活用した。

◇クアルコムと対等な技術力認定

クアルコム出身でシステムLSI事業部長を務めるカン・インヨプ社長、テキサス・インスツルメンツ出身でセンサー事業チーム長を務めるパク・ヨンイン副社長ら世界の半導体企業から迎え入れた人材の活躍で状況が変わった。システムLSI事業部は利益率が相対的に低い無線事業部への納品比率を減らし、中国企業を中心に顧客拡大に出た。今年に入りVivoにエクシノス980と880を供給したのが良い事例だ。

今年初めにプレミアムAPのエクシノス990が「ギャラクシーS20」の韓国向けモデルから排除されるなど「屈辱」もあった。だが発売予定のAPは半導体業界で技術力を認められている。最近仕様が公開された中上級APのエクシノス1080が代表的だ。サムスン電子は5ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の超微細工程で生産する1080APはVivoの5GスマートフォンとギャラクシーAシリーズなどに供給される予定だ。業界では「1080APの性能がクアルコムの主力APである『スナップドラゴン865』よりましだ」という評価も出ている。来年初めにはプレミアムAPエクシノス2100が発売される。

◇システム半導体の営業利益1兆7000億ウォン

ファーウェイ制裁にともなう利益も無視することはできない要因に挙げられる。ファーウェイはAPを独自開発したがシャオミとOPPOはクアルコムやメディアテックなどからAPを調達した。米国のファーウェイ制裁で機会をつかんだシャオミとOPPOなどは生産拡大に向けAPを追加で確保する必要性が大きくなった。こうした状況で「コストパフォーマンス」が良いエクシノスがスマートフォンメーカーのレーダーにかかったと分析される。

シャオミ納品を契機に世界のAP市場でサムスン電子の地位が「確実な3位」に上がると予想される。シャオミとOPPOなどに主に納品する世界1位のAPメーカーのクアルコムと2位のメディアテックのシェアを一部奪えるからだ。4-6月期基準でサムスン電子はクアルコムの29%、メディアテックの26%、ハイシリコンの16%に続きアップルと同率4位の13%のシェアを記録した。

サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が昨年4月に発表した「システム半導体2030ビジョン」にさらに弾みがつくという予想も出ている。当時李副会長は2030年までに133兆ウォンを投資してシステム半導体世界1位を達成すると強調した。

最近はファウンドリー(半導体受託生産)事業部まで奮戦しており今年サムスン電子がシステム半導体事業で売り上げ17兆ウォン、営業利益1兆6000億ウォン以上を記録するだろうという観測も出ている。昨年より売り上げは10%、営業利益は30%以上増加した数値だ。



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