【ワシントン時事】米大統領選を3日に控え、共和党のトランプ大統領(74)が激戦州の東部ペンシルベニア州に照準を定め、猛攻を仕掛けている。
【図解】両候補の集会数
郵便投票急増による開票の遅れが確実視されている同州で、民主党のバイデン前副大統領(77)相手に開票開始直後からリードする展開に持ち込み、一方的に「勝利宣言」する布石だという見方が出ている。
米メディア「アクシオス」は1日、トランプ氏が3日夜に「当選確実」が出ていなくても勝利宣言する考えを示していると、複数の関係者の話として伝えた。
トランプ氏は記者団にこの報道を否定しつつも、「コンピューターの時代に、選挙の夜に結果が分からないなんてひどい」と開票の遅れをけん制。3日の消印があれば数日間、郵便投票を受け付けるペンシルベニア州などの規則に疑問を呈した。
ペンシルベニアでは、3日時点では郵便投票の割合が低いトランプ氏の票が伸び、時間がたつにつれバイデン氏票が増えると予想されている。報道によれば、トランプ氏は早々と勝利宣言し、後から増える郵便投票分を「不正」とみなして訴訟を起こす構えという。
トランプ氏は新型コロナウイルスでの入院治療から退院後の3週間で約50の集会を開催、このうちペンシルベニアは最多の11を数える。白人労働者が多く、4年前はトランプ氏が0.7ポイント差で制したが、今回は支持率約4ポイントの差でバイデン氏を追う。
トランプ氏は前回勝利した激戦州のうち、中西部ミシガンとウィスコンシンで6ポイント以上に離され劣勢。この2州を落としてペンシルベニアも奪われれば敗北が決定的になるため、トランプ氏にとって「最後のとりで」と位置付けられる。
一方、バイデン氏も1日、ペンシルベニア州入りし、「あと2日で米国を分断したこの大統領に終止符を打つことができる」と支持を訴えた。最終日の2日も同州を3カ所回り、最後のてこ入れを図る。