体内にたまる毒が分解できず、造血幹細胞が傷ついて起きる新たなタイプの遺伝性貧血症を見つけたと、京都大の高田穣教授(分子生物学)らのチームが3日付米専門誌電子版に発表した。日本人の半数ほどが持つ「酒に弱くなる遺伝子変異」に、極めてまれな別の変異が重なり、発症していた。
チームは赤血球や白血球、血小板が十分にできなくなる再生不良性貧血の研究で集められた血液試料の遺伝情報を解析。原因不明とされた患者7例で、アルコールを分解していく過程で働くALDH2遺伝子に加え、血液ができる際の有害な副産物ホルムアルデヒドを分解するADH5遺伝子にも変異があることを発見した。