新型コロナウイルスの感染拡大が続く北海道。
クラスター(感染者集団)の発生が相次ぐ札幌市の繁華街ススキノは9日も人通りはまばらで、飲食店の関係者からは「客なく暇」「年を越せない」と悲痛な声が上がった。
【グラフ】新型コロナウイルス 都道府県別感染者数・死者数
接待を伴う飲食店の男性従業員は「売り上げはほぼない」とお手上げ状態。政府の観光支援事業「Go To トラベル」で観光客も訪れるが、北海道の警戒ステージが2から3に上がった7日以降は「ほとんど客はなく、店を開けても暇」と諦め顔。道による営業時間の短縮要請に応じれば協力金が出るが、応じないといい、「20万円では家賃すら払えない。1日20万円の支給なら考えるが」と語った。
ススキノ地区のホテルでは11月宿泊分のキャンセルが相次ぐ。感染拡大で「Go To トラベル」の対象外となる可能性もあり、女性従業員は「せっかく宿泊者が例年の7~8割ほどに戻ったのに痛手」と肩を落とす。
観光客が集まる「元祖さっぽろラーメン横丁」でも、一部店舗が休業や時短営業を実施。「特一富屋」の店主小坂洋一郎さん(44)は「ススキノはクラスターの発生が多く人が戻りにくい」と嘆いた。
ススキノのスナックやバーなど約150店舗が加盟する「すすきの観光協会」の担当者は「Go To トラベルで観光客が戻っていたが、また遠のいてしまった。このままでは年を越せない店も出てくる」と懸念する。
さいたま市から出張で北海道を訪れた自営業の男性は(63)は「人が集まる札幌で感染者が出るのはしょうがない。手洗いや消毒を徹底したい」と話した。