およそ45億ドル(約4650億円)の資産を有する大物実業家、サー・リチャード・ブランソン(70歳)は、イングランドの静かな村シャムリー・グリーンにある赤レンガの邸宅で、最初のベンチャー事業を思いついた。
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ロンドンの南西30マイル(約48キロ)にあるこの邸宅が、520万ドル(約5億3700万円)で売りに出されている。
ベッドルーム4つ、バスルーム3つを備え、ブランソンが自伝の中で「いくつもの納屋や小屋、それに広い土地と、増築を重ねた建物」と記したこの邸宅の中を覗いてみよう。
この邸宅タンヤード・ファームが建つ1.4エーカー(約5670平方メートル)の土地は、ブランソンがクリスマスツリー栽培という初めてのビジネスを手がけた場所だ。
サー・リチャード・ブランソンの初めてのベンチャー事業は、ウサギに食べられて終わった。
ヴァージン・グループの創設者として知られるブランソンは、イングランドのカントリーサイドにある赤レンガの家に暮らしていたころ、裏庭にクリスマスツリーを植えた。まだ10代のときだ。それを売って儲けようとしたが、ウサギが苗木を食べて、売り物を台無しにしてしまった。
次にブランソンは、レコードの通信販売に乗り出した。ところが1971年、21歳のとき、レコード販売で脱税を企てて逮捕されてしまった。その際、ブランソンの母親が、彼の保釈金を支払うために担保に入れたのが、やはりこの赤レンガの邸宅だった。
しかしこうした失敗も、ブランソンにはかえってビジネスを学ぶ機会になった。
1年後の1972年、ブランソンは通信販売事業を発展させてヴァージン・レコードを創設した。ヴァージンとは、ブランソンと仲間たちがビジネスの世界で未経験者だからとの発想でつけられた名前だ。
最初の大ヒットは1973年。マイク・オールドフィールドのアルバム『チューブラー・ベルズ』だった。そこから同社は、セックス・ピストルズ、フィル・コリンズ、ザ・ローリング・ストーンズとの契約を獲得した。
そして現在、ヴァージン・グループは、航空会社、ホテル、民間宇宙飛行会社などを擁する一大帝国となった。フォーブスによると、ブランソンの純資産額は推定45億ドル(約4650億円)に上る。
ビリオネアの誕生に重要な役割を果たした赤レンガの邸宅は現在、売りに出されている。価格は520万ドル(約5億3700万円)だ。
タンヤード・ファームと呼ばれる1.4エーカー(約5670平方メートル)のこの地所は、ロンドンの南西30マイル(約48キロ)に位置するシャムリー・グリーンという村にある。販売はイギリス・サザビーズ・インターナショナル・リアルティ。
ブランソンが初めての事業計画を思いついた場所である邸宅の中を覗いてみよう。