ススキノ再びため息 時短要請1週間 「騒ぎ過ぎ」「右にならえ」「もう終わり」

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ススキノ再びため息 時短要請1週間 「騒ぎ過ぎ」「右にならえ」「もう終わり」

 13日金曜日・午後6時前、札幌市中央区のススキノ交差点。週末にもかかわらずサラリーマンらの姿はほぼなく、人通りは少ない。「感染の早期収束をお祈りします」。スナックやラウンジの臨時休業を繰り返し伝えるアナウンスが、どこからともなく聞こえてきた。

 目抜き通り「札幌駅前通」の路地裏にある焼き鳥店「とり長」に入った。「いらっしゃい」。店主の長尾良さん(70)の声が閑散とした店内に響く。カウンターのみ10席足らずの小さな店は、普段の週末なら午後6時の開店早々に埋まるという。

 しかし、いたのは年配の男性1人だけ。テレビのニュース番組が、道内の感染者数を報じていた。男性は「コロナ、コロナと騒ぎ過ぎだ」と画面を見つめた。

 店は午後8時ごろから混み出したが、残りはあと2時間。道は7日に独自の指標「警戒ステージ」を「2」から「3」に引き上げた。同時に、27日まで接待を伴う飲食店やバーに午後10時~午前5時の営業自粛を、居酒屋などにはこの時間帯に酒を出さないよう要請した。

 「店、閉めるんで。ラストオーダーありませんか」。午後9時50分、長尾さんが客に聞いた。通常は午前5時ごろまで店を開け、深夜に仕事を終えたホステスなどで、にぎわうことも少なくない。男性会社員(43)は「終電間際まで飲みたいが、今は『右にならえ』。仕方がないのかな」。最後に1杯、焼酎の緑茶割りを名残惜しそうに飲んだ。

 長尾さんは店の赤ちょうちんの明かりを消し、のれんを外した。「9、10月は客足が持ち直していたのに11月に入ってからはさっぱり。年末の宴会シーズンまでには感染が収まってくれたら」とつぶやいた。

 午後10時過ぎ、近くの「元祖さっぽろラーメン横丁」。酔客でにぎわう時間帯だが、シャッターを下ろした店が目立つ。臨時休業しているのだ。スナックなどが入る雑居ビルでは、道と札幌市保健所の男性職員が巡回していた。職員20人が200店舗を回り、要請への協力を呼び掛けているという。職員は「かなり人出が少なくなっている。要請に応じてくれる店が相当あると感じる」と話した。

 本当にそうか? 午後11時過ぎ、外れにあるバーには明かりがともっていた。客の姿はなく、60代の男性マスターが1人でラジオを聴いていた。「客が来るか来ないか、待つしかないね。うちは2次会以降の店だから、10時に閉めたら商売にならない」。要請に応じた場合の支援金は20万円。「それじゃ、店の家賃や光熱費で消える」とぼやいた。

 深夜まで営業する焼き肉店に入ると、やはり客はまばら。40代の男性店主は嘆いた。「下り坂で背中を押されている感じ。ススキノの同業者も会う人、会う人『もう終わりだ』と言っている」

 日付が変わり、市営地下鉄すすきの駅の終電時刻が過ぎた。通りには思いのほか、若者の姿が多い。国の緊急事態宣言下にあった4~5月は完全に静まり返っていた。あの時とは明らかに違う。「これで収束に向かうだろうか」。もやもやした気持ちを抱えながら、街を後にした。

 ◇夜の人出、3割減 「警戒ステージ3」移行後、駅周辺

 札幌市営地下鉄すすきの駅周辺の夜の人出は、道独自の「警戒ステージ」移行に伴い大きく減少している。13日までの1週間は、前週に比べ約3割減。ソフトバンクの子会社「アグープ」(東京都渋谷区)の推計で判明した。

 同社は駅の半径500メートルにおける1時間平均の滞在人口をスマートフォンアプリ利用者の位置情報から推計。毎日新聞は、このデータを基に10月以降の午後10時台の人出について直近1週間の平均値を出し比較した。

 10月25日ごろから減少傾向となり、「ステージ2」に移行した同28日以降さらに減少した。

 11月2日に道内の日別感染者は96人で全国の都道府県で最多となり、道は同7日に警戒ステージを「3」に引き上げ、ススキノの飲食店に時短要請を出した。こうした措置が減少に影響したとみられる。【土谷純一】

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