【独自】教員からわいせつ行為、命絶った女子生徒の母「慕う気持ち利用…許せぬ」

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【独自】教員からわいせつ行為、命絶った女子生徒の母「慕う気持ち利用…許せぬ」

■過呼吸や突然の涙、心身不調に

 亡くなったのは、那覇市内の高校1年生の女子生徒(当時16歳)。

 那覇市教育委員会の報告書などによると、女子生徒は市立中3年だった13年11月14日、男性教員(当時41歳)に理科の準備室に呼ばれ、突然キスをされた。女子生徒は泣きだし、過呼吸状態となった。女子生徒の友人から話を聞いて事態を把握した学校側は、男性教員に事実を確認した上で、校長らが母親(41)に謝罪した。

 男性教員は、女子生徒が入部していた部活動の副顧問だった。当時、女子生徒を含め3人の女子部員が早朝に学習指導を受けていたが、その日はたまたま女子生徒1人が参加していた。

 その後の調査で、男性教員はキス以外にも▽膝に乗せ、後ろから抱きかかえる▽休日に女子生徒をドライブに誘い、抱きしめる▽女子生徒のスカートの下に手を入れてお尻をたたく――などのわいせつ行為を女子生徒に繰り返していたことが発覚。男性教員はほどなくして休職し、14年3月に懲戒免職処分を受けた。

 一方、女子生徒は家でも過呼吸などの症状が出て、13年11月から心療内科を受診していた。母親によると、キスされた後の診察では「教員への怒りと、自分のせいで教員に迷惑をかけてしまったという罪悪感で気持ちが不安定な状態が続いている」と医師から伝えられたという。

 男性教員の休職後も女子生徒は別の病院で治療を続け、「急性ストレス反応」との診断を受けている。

 最後の受診は、高校1年だった14年12月4日。母親が開示を受けた当時のカルテには、〈先生との出来事は仲の良い友達しか知らないと思っていたが、友人から「みんな知っていて、うわさになっていた」と聞いた〉〈11月頃から(教員とのことが)思い起こされ、泣くことも多い〉と記され、女子生徒が悩んでいたことがうかがえる。

 約3週間後の12月29日、女子生徒は自宅のベランダから飛び降りて亡くなった。

■手に傷、何本も

 「娘は男性教員を慕っていた。その気持ちにつけ込んだことが許せない」。最愛の娘を失った母親の怒りは今なお消えない。

 シングルマザーとして女子生徒を育ててきた母親によると、友人に囲まれ、学校生活を楽しんでいるかに見えた女子生徒は、わいせつ行為を受けた頃から気持ちが不安定になった。

 女子生徒は睡眠薬を服用するようになり、体重は42キロから35キロに急減。「娘は穏やかな性格だったが、声を荒らげたり、物を投げたりするようになった」と母親は言う。

 女子生徒の死後、「先生のことを思い出すと苦しくなるから、自分の手をかきむしってしまう」と友人に打ち明けていたことを知った。かつての動画を見返すと、笑顔で料理する女子生徒の手の甲には何本ものひっかき傷があった。「心配するので私にはあまり言わなかったのだと思う。守ってあげるのが親なのに」。母親は自らを責める。

 娘の死がつらく、この6年間、母親は積極的には語ってこなかった。しかし教員によるわいせつ事案が全国で後を絶たない現状に、「黙っていてはいけない」と考えたという。母親は「『たかがキス』では済まされない。教員の行為が子供にどんなに重大な影響を与えるか、広く考えてほしい」と訴えている。

 性的被害を受けた子供の心のケアなどに携わる武蔵野大の藤森和美教授(臨床心理学)の話「性暴力被害は、子供の心に深いトラウマを残す。『心配をかけたくない』という子供なりの優しさや気遣いから、大丈夫そうに振る舞っていても、本人は苦しみ続けているケースは多い。トラウマの回復には長い時間がかかることを周囲が理解し、支援を続けることが大切だ」

■元教員「なぜあんなことを」

 懲戒免職となった元教員の男性は沖縄県内で読売新聞の取材に応じ、「なぜあんなことをしたのか。時を戻せるなら戻したい」とうつむいた。

 那覇市教委の担当者は「服務規律が守られていなかった。教員への監督指導を徹底するよう校長ら管理職に求めている」と話した。

教員からわいせつな行為を受けた方、お子さんが被害に遭ったという保護者の方、「許すな」取材班までご連絡ください。メールアドレスはsos@yomiuri.com。郵便は〒100-8055 読売新聞社会部 ファクスは03・3217・8363

 不安や悩みの相談は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)へ。

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