[25日 ロイター] – 米国で新型コロナウイルス感染症による1日当たりの死者が5月以来初めて2000人を超えた。感謝祭の連休を迎え、人の移動が予想される中、状況の悪化が懸念される。
24日の死者は2157人と、40秒に1人が死亡したことになる。ロイターの集計によると、これまでの最多は4月14日に記録した2806人。当初は3384人とされていたが、1日当たりの死者数は集計の遅れなどによって変動する可能性がある。
1日当たりの新規感染者数も17万人を超えた。
同日の入院者数も8万7000人を突破し、これまでの最多を記録。全米各地の医療施設の病床も逼迫しつつある状況を示唆している。ロイターの集計によると、今月に入り50州中30州で、入院者数が過去最多を記録している。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はABCのニュース番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、マスク着用やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)、屋内を中心に人の集まりを避けることを続ける必要性を強調し、今週の感謝祭の集まりを可能な限り小規模にするよう促した。「感染拡大抑制に向けた措置を実行すれば、いずれこの状況を切り抜けられる。感謝祭に向けた私の最後のお願いだ」と語った。
感謝祭に向けて旅行者が増加し、週末22日に米国内の空港のセキュリティーチェックを通過した旅客者数は約105万人と、コロナ感染の拡大が始まった3月半ば以降で最高の水準に達した。
ニューヨーク州のクオモ知事は記者団に対し「今年は通常の感謝祭ではない」と釘を刺し、通常の感謝祭のように振る舞うことは「現実の否定」に等しいと語った。
米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、コロナ対策を最優先課題に位置付けており、25日にコロナ対策を巡り演説する見通し。
ファウチ氏はCーSPANに対し、バイデン氏のスタッフと連絡を取っており、次期政権のいかなる対策本部にも関与していく意向だと明らかにした。
*内容を追加しました。