◆東南アジアの電気自動車「前哨基地」狙う
実際、ASEAN国家は最近、電気自動車市場の積極的な育成に乗り出した。インドネシアは2025年までに201万台、シンガポールは2050年までに53万台、タイは2036年までに電気自動車120万台の電気自動車を普及させるという目標を提示した。今までASEAN市場は日本車の独壇場だった。インドネシアだけでもトヨタ・ダイハツ・ホンダ・三菱・スズキなど日本自動車メーカー5社の市場シェアが新車販売基準として90%以上ある。だが、電気自動車は話が違う。ハイ投資証券のコ・テボン・リサーチセンター長は「電気自動車はトヨタを除いて日本が世界のトップについて行けないでいるうえ、セカンドティア(2位企業群)は最初から(電気自動車を)念頭にさえ置けていない」とし「各種規制と制度変化で、内燃機関から電気自動車に自動車市場が変わる瞬間、現代車がASEAN市場でシェアを非常に高めていくことができる」と話した。
現代車は昨年12月、ジャカルタから東に約40キロメートル離れたブカシ県デルタマス工業団地に完成車工場を作り始めた。現在工事は60%ほど進んでいて来年下半期の稼働を目指している。年間生産規模は15万台で、半分は輸出用だ。生産車種は小型スポーツ用多目的車(SUV)とセダンに決まったが、今後ハイブリッド車と電気自動車などエコカーを追加で生産する可能性が高い。現代車は状況によってこの工場の生産量を25万台まで拡大する方案を検討中だ。
LG化学の場合も、現代車をはじめASEAN地域に入っているグローバル完成車メーカーなどを通じて安定したバッテリー供給処を確保する一方、各種材料・部品自給力を大きく引き上げることができる。これに関連し、9月にソウルを訪問したエリック・トヒール国営企業部長官とバフリール・ラハダリア投資庁長はLG化学とリチウム採掘事業パッケージ投資などについて話し合ったと、バッテリー市場に精通した業界関係者は伝えた。