(CNN) 米ユタ州の砂漠でSF映画「2001年宇宙の旅」 に登場する「モノリス」のような石柱状の物体が見つかってしばらくした後に消えた件で、モノリスが消えたのは異星人のせいでも政府の陰謀のせいでもなく、SNSの利用者が撤去していたことがわかった。
【動画】ユタ州の砂漠に「モノリス」出現
コロラド州の写真家のロス・バーナーズさんはCNNの取材に対し、11月27日の夜に4人組によってモノリスが撤去されたところを目撃したと明らかにした。
砂漠でのハイキングに約10年の経験があるバーナーズさんは、モノリスの場所を確定できたことから、11月27日に友人らと一緒にモノリスの写真を撮りに行くことにした。
バーナーズさんと友人はモノリスにたどり着き1時間超にわたって撮影を行った。その後、新しい集団がやってくる声が聞こえた。バーナーズさんはその集団も写真を撮りに来たと思ったが、そうではなかった。
新しい集団がモノリスを押すなどすると、モノリスはわずかに浮き上がり、最終的には地面に倒れて、大きな音がしたという。
4人組はモノリスを手押し車に載せると、「leave no trace(『痕跡を残すな』の意味)」と言って、そのまま運び去った。
バーナーズさんによれば、「痕跡を残すな」というのは、アウトドアをする人たちの中ではよく知られた原則で、影響を最小限に抑えることで環境を保護しようとアウトドア活動をする人に呼び掛けるときに使われる。
バーナーズさんや友人はモノリスの撤去を止めなかったが、それはやはり撤去が必要だと考えていたためだ。モノリスが設置された地域は今回のような種類の注目を集めるようにはできておらず、土地に被害が及ぶ可能性がある。
モノリスを撤去した集団の1人はSNSに投稿し、11月27日の午後8時半ごろにモノリスを撤去したと報告。キャプションには「持ち去られたくなければ、個人の所有物を公有地に置き去りにしないこと」と書かれ、「#LeaveNoTrace」のタグも添えられている。