【AFP=時事】タイ当局は今週、対ラオス国境付近の「偽装動物園」を捜索し、切断されたトラの頭部を発見した。この施設は、野生生物の密輸組織との関わりが疑われている。
【写真4枚】押収されたトラの頭部
捜索は先月30日、北東部ムクダハン(Mukdahan)県にある「ムクダトラ公園牧場(Mukda Tiger Park and Farm)」で行われた。
当局は同施設内で、生きたトラ5頭を保護。さらに、トラの部位も複数発見した。
同施設は、5年前にトラ6頭が生まれたと主張していた。しかしDNA鑑定で、頭部を切断された1頭と保護された5頭のいずれも、同じ場所で飼育されている他のトラとは血縁関係がないことが判明。これにより、同施設がラオスやベトナムへ密輸される野生動物の一時的な収容施設として使われている疑いが浮上した。
タイ国立公園野生動植物保全局の関係者はAFPに対し「施設の関係者らは、2012年から動物園を開園する免許を持っているにもかかわらず、開園準備ができていないと説明していた」と明かした。同関係者によると、捜索が行われた際、施設の所有者はその場におらず、当局は事情聴取のためこの人物の行方を追っている。
タイのある動物保護団体によれば、施設には2013年、28頭のトラがいたが、5年後には50頭に急増。しかし今年に入り、25頭にまで減ったという。
トラは中国とベトナムで毛皮と体の部位の需要が高く、密猟の横行につながっている。中国ではトラの体の部位は伝統薬に用いられる。【翻訳編集】 AFPBB News