
垂(たるみ)秀夫・新中国大使は11日、北京市内で着任会見を行った。日中間に懸案が多い中での赴任について「中国との関係は日本にとって最重要な関係の一つ。さまざまな立場や懸念があるが、互いに引っ越しできないのも現実だ。主張すべきは主張するが、率直に話し合える関係を作り、協力できることは積極的に増やすことが重要だ」と抱負を語った。
新型コロナウイルスの影響で延期となった習近平国家主席の国賓来日については「まずはコロナの収束に専念することにつきる。具体的な日程調整を行う段階ではない」と指摘したうえで、ハイレベルの日中の政府間交流は重要との見方を示した。
垂氏は中国語研修を経て、北京、香港、台湾での駐在経験を持つ外務省きっての中国専門家。中国語力を駆使し、中国政府関係者から中国内の民主派まで幅広い人脈を作り上げてきた。そのため、中国政府から警戒感を持たれてきたとの見方もあった。【北京・小倉祥徳】