ソウル龍山区梨泰院洞を訪れる人が減り街が閑散としている。ユン・サンオン記者
ドイツのメルケル首相は13日、16日から来年1月10日まで全国単位の全面封鎖(ロックダウン)を実施すると発表した。同国のショルツ財務相は「全面封鎖による被害支援に向け連邦政府は毎月110億ユーロ(約1兆3894億円)前後を支出する計画」と明らかにした。
韓国も新型コロナウイルス患者と死亡者数が急増しているが、ドイツのような強力な措置を取ることには慎重だ。自営業者があまりに多いからだ。統計庁によると先月基準で自営業従事者数は656万3000人に達する。全就業者2724万1000人の24.1%だ。現在働いている人の4人に1人は自営業で暮らしている。
国際比較をしてみても韓国の自営業偏重は深刻だ。経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国のうち韓国の自営業者数の割合は2019年基準で24.6%と8番目に高い。コロンビア(50.1%)、ブラジル(32.6%),メキシコ(31.9%)、ギリシャ(31.9%)、トルコ(31.5%)、コスタリカ(26.6%)、チリ(25.8%)に次いでだ。
これに対しオーストラリア(9.7%)やドイツ(9.6%)、カナダ(8.2%)など主要先進国の自営業者の割合は韓国の半分に満たない。米国(6.1%)は4分の1水準だ。これらの国が自営業者に影響が集中するロックダウンを比較的断固として推進できた主な理由だ。
これらの国が自営業者に対する被害支援策も相対的に果敢に大幅に推進できる背景も同様だ。直接支援すべき自営業者の割合が経済規模全体に比べ少ないからだ。
ドイツ財務省は新型コロナウイルスで被害を受けた企業だけでなく、フリーランスや自営業者にまで1人当たり最大50万ユーロ(約6315万円)を補償することにした。カナダもやはり損害を受けた自営業者に2週間単位で1000カナダドル(約8万円)を支援しているが、最大26週間受けられる。自営業者1人当たり100万円を超える現金支援がなされるという話だ。
企画財政部関係者は「社会的距離確保3段階措置が下されれば必須施設のほかすべての事業所で営業が停止する。新型コロナウイルスの感染拡大傾向は厳しいが、自営業者の割合があまりにも大きいため経済被害や小商工人の反発などを考慮すると政府としては容易に3段階に引き上げられない状況」と説明した。
もちろん自営業者の割合が高いことはきのうきょうのことではない。時には雇用衝撃を減らすバッファーの役割という純機能もなくはなかった。だが企業が作る良質の雇用ではないという点で限界が多かった。規制を緩和して企業投資を活性化し良質の雇用を作ったり、飲食・宿泊業中心のサービス業を外国のように高付加価値サービス業に先進化しようという努力をしっかりしていたならば、少なくとも現在ほど苦しくはなかっただろう。新型コロナウイルスのためにどうすることもできない「自営業共和国」韓国の素顔がそのまま表れた。
チョ・ヒョンスク/経済政策チーム記者