ソウル南大門市場の食堂通りが閑散としている。 チェ・チョンドン記者
韓国の小商工業者には「悪夢のクリスマス」だった。クリスマスがあった先週(12月21~27日)全国小商工業者の売り上げが前年より半分割れとなった。
30日、全国66万人の小商工業者事業場の決済情報を管理する「韓国信用データ」によると、先週全国の小商工業者店舗の売り上げは昨年同期比0.44にとどまった。売り上げが56%も落ちたという意味で、対前年比売り上げは今年に入って最低となった。12月第2週目から3週間連続で今年最低の記録を塗り替えている。
特に、ソウル地域の打撃が深刻だ。ソウル小商工業者の売り上げ(0.39)は昨年同期より61%も暴落し、やはり3週間連続で最低を更新した。売り上げが昨年の3分の1を超える水準に過ぎないということだ。これは全国17市道の中で最も低い数値だ。首都圏で5人以上集合が禁じれられるなど防疫強化措置を施行した余波と分析される。
首都圏である京畿(キョンギ、0.44)・仁川(インチョン、0.46)をはじめ、釜山(プサン、0.42)・蔚山(ウルサン、0.44)・江原(カンウォン、0.44)など全国多くの地域の小商工業商圏が冷え込んだ。全国地方自治体の中で感染者が最も少ない世宗(セジョン)が0.58で売り上げの減少が一番小さかった。社会的距離の確保第2.5段階は8日から発令されたが、数値であらわれる衝撃は今回がはるかに強い。絶対的な数値が低いだけでなく、対前週比落ち幅が0.24ポイントで前例なく大きかったためだ。1次的には新規感染者が一日に1000人を超えるなど新型肺炎の拡大傾向が落ち着く兆しを見せていないからだ。
これに「ベース効果」が働いた。クリスマス週間は各種集いと行事で1年の中で消費が最も多い時期だ。だが、今年クリスマス景気が普段の水準にも至らず、昨年同期比売り上げの減少幅が前例なく大きくなったと分析される。
細部業種別では、食堂(食堂業・酒屋業)の売り上げの打撃が深刻だ。対前年比売り上げは0.36となったが、この数値が0.5割れとなったのは今回が初めてだ。各種集いの予約が取り消しとなり、午後9時以降には持ち帰り・デリバリーだけが可能なので食堂の被害が大きくなるしかない。
その間、比較的に衝撃が小さかった塾、理美容業もそれぞれ0.35・0.45まで墜落した。対面接触が多く運営に制限が多い業種は売り上げが焦土化している。カラオケ0.03、電子ゲーム場0.04、銭湯0.15、室内体育施設0.15などだ。
小商工業者のため息は深まっている。年末のシーズンでこれまでの損失を埋めようとした計画が失敗に終わっただけでない。その間政府方針に積極的に協力してきたが、結果的に被害を受けすでに何度も生存の危機を克服してきたために今後持ちこたえる体力を失われているからだ。
一部は団体の行動に出たりもした。一部の首都圏塾院長が作った団体である「コロナによる塾非常対策委員会」は政府を相手取って首都圏塾の集合禁止にともなう2次損害賠償訴訟を提起する予定だ。大韓フィットネス経営者協会(KFMA)とヘルスクラブ館長連合会は断髪式を開いて対策準備を促した。全国ネットカフェ協会・大韓カラオケ業協会なども決起大会を開いた。
小商工人連合会は「事実上距離の確保第3段階の施行に他ならない状況となり、小商工業者は史上初の『ブラッククリスマス』を送って茫然自失している」と論評した。
政府が翌月最大300万ウォン(約28万円)の「第3次災難支援金」を支給するが、小商工業者の反応は芳しくない。累積した経営難を解消するためには非常に足りない金額であるうえに、一時的な支援策では限界があるという理由からだ。より大きな心配は来年だ。赤字自営業者世帯の割合が来年悲観的なシナリオで19.3~22.4%まで増える可能性がある(韓国銀行の下半期金融安定報告書)と見込まれるなど零細自営業者が韓国経済の「弱い輪」になる恐れがあるということだ。
漢城(ハンソン)大学経済学科のパク・ヨンボム教授は「国家財政には限界があるので自営業者に災難支援金を果てしなく配るわけにはいかない」とし「結局、新型肺炎を抑制しながら内需拡大と景気の活性化が伴われるべきだが、このような点で韓国のワクチン確保が遅れているという点が残念だ」と話した。