昨年の韓国の対中国輸出額が1325億5500万ドルと集計された。対中国輸出は2019年(1362億300万ドル)に比べて減少したが、中国への輸出依存度はむしろ高まり、輸出業界の悩みも深まっている。中国の成長する大きな市場を無視できず、進出を増やすほど韓国経済の不確実性も高まるしかないという懸念のためだ。
韓国貿易協会によると、昨年の韓国の全体輸出額は5127億8873万ドルだった。新型コロナウイルス感染症の影響で前年(5422億3161万ドル)比5.7%減少した。全体輸出の減少額に比べて対中国輸出の減少幅(2.8%減)は小さく、対中国輸出比率は25.8%と、前年(25.1%)よりも高まった。
中国に対する輸出は半導体が主導した。貿易協会によると、昨年の半導体の対中国輸出量は6.9%増えた。合成樹脂(6.9%)と鉄鋼(4.2%)の輸出も増加した。ディスプレーなど他の製品群の輸出減少をこれら品目がカバーした。貿易協会動向分析室のキム・ギョンフン研究委員は「世界各国のうち中国が最初にコロナの衝撃から抜け出し、対外経済的な関連性が強い韓国の輸出が善戦した結果が表れた」と説明した。
対中国輸出依存度が高まった中、中国市場に対する見方は分かれている。特に2017年の高高度防衛ミサイル(THAAD)国内配備で中国の経済報復を経験した後、輸出市場多角化の必要性を指摘する声が出ていたが、中国への依存度がまた高まっているからだ。
◆「中国市場にさらに注力すべき」
まず貿易業界では、中国が活性化すると宣言した内需市場を積極的に狙うべきだという意見が多い。共産党中央委員会は昨年10月、「双循環」発展戦略を採択した。輸出主導の経済成長方式から内需市場の活性化に向かうという内容だ。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のパク・ハンジン中国地域本部長は「中国の内需市場にさらに深く入り込む必要がある」とし「中国では東側に集まっていた生産施設と消費市場が西側に移動中で、特に素材・部品・装備の需要が多い」と伝えた。
◆「中国市場、韓国企業には厳しい環境も」
中国市場進出拡大が韓国経済の潜在的リスクをさらに高めるという指摘もある。特に20日(現地時間)に就任するバイデン大統領の新政権も米国優先主義を維持して中国と衝突する場合、韓国企業が中国に深く進出するほど不確実性が高まるということだ。
鄭仁教(チョン・インギョ)仁荷大国際通商学科教授は「その間、韓国企業は『米国がまさか…』という考えで中国進出を拡大してきた」とし「米国の対中国圧力が激しくなれば、韓国の中国輸出企業も厳しくなるしかない」と指摘した。続いて「中国の内需市場拡大政策も国営企業への支援を通じた国産物品調達に集中するはず」とし「このため中国で韓国企業は持ちこたえるのが難しい環境が形成されると予想される」と話した。
一方、貿易協会の統計で昨年の韓国の輸出対象国2位は米国(全体の14.5%)だった。3位はベトナム(9.5%)、4位は香港(6.0%)で、上位4カ国のシェアはすべて拡大した。日本(5位)への輸出比率は2019年の5.2%から昨年は4.9%に低下した。