サムスン電子の李在鎔副会長が新年最初の業務開始日である4日、京畿道平沢にあるサムスン電子平沢第2工場を訪れ関係者らの説明を聞いている。[写真 サムスン電子]
サムスン電子が昨年、新型コロナウイルス余波と米中貿易紛争の中にも35兆9900億ウォン(約3兆3778億円)の営業利益を記録した。売り上げは236兆8100億ウォンとなった。また、過去最大となる13兆ウォン台の配当計画を明らかにした。
サムスン電子は28日、昨年10-12月期に売り上げ61兆5515億ウォン、営業利益9兆470億ウォンの業績を収めたと公示した。年間売り上げは236兆8100億ウォン、営業利益は35兆9900億ウォンと集計された。売り上げ基準では過去3番目、営業利益では4番目に良い成績だ。
今回も半導体が業績好調の柱となった。全営業利益の52%に当たる18兆8100億ウォンを半導体で加勢だ。半導体営業利益は2019年の14兆200億ウォンより4兆7900億ウォン増えた。
スマートフォンを担当するIT・モバイル(IM)部門も11兆4700億ウォンの営業利益で善戦した。2018年の10兆1700億ウォンを上回る過去最大の実績だ。消費者家電(CE)部門も3兆5600億ウォンを残した。新型コロナウイルスで在宅勤務と非対面文化が拡散しノートパソコンやタブレットのようなIT製品、テレビなど家電需要が増えたおかげだ。
◇営業利益の52%を半導体で…家電・スマホも善戦
ここに大規模配当も実施する。サムスン電子はこの日決算配当と2021~2023年株主還元政策を発表した。既存の決算配当金は普通株基準で1株当たり354ウォンだが、残余財源を活用した特別配当金として1578ウォンを加え、1株当たり1932ウォンを支給すると明らかにした。優先株は1株当たり1933ウォンとなる。特別配当は金融投資業界で予想した1株当たり1000ウォン台より50%多い金額だ。特別配当を含んだ配当金総額は13兆1243億ウォン水準だ。株主配当は株主総会後1カ月以内に支給される。
このように市場の予想を上回る過去最大級の配当をするのは、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が提示した「株主優先」政策が背景になったと分析される。サムスンに対する「社会的責任」がいつになく強調されており、友好的世論形成を期待することもできる。李副会長は相続税財源の調達も可能だ。昨年10月に死去した李健熙(イ・ゴンヒ)会長の配当7462億ウォンを含め李副会長ら相続人は1兆ウォンほどの配当を受ける。
業界ではサムスン電子は今年昨年より良い業績を出すと予想する。予想営業利益は46兆ウォンで、昨年より10兆ウォン以上伸びるとみる。DRAM・NAND型フラッシュのようなメモリー半導体需要が着実に増加している上に非メモリー半導体を強化しているためだ。
◇今年の営業利益46兆ウォン以上期待
特にサムスン電子が力を入れているファウンドリー(委託生産)はマージンが安定的だ。世界1位のファウンドリー企業である台湾TSMCの昨年の営業利益率は40%台だ。サムスン電子は25.8%だった。
サムスン電子関係者は「ファウンドリーはサムスンが後発走者で1位に追いつくために施設や研究開発に多くの投資が必要で、実際に進めている」と話した。メリッツ証券アナリストのキム・ソンウ氏は「サムスンはインテルの外注受注などに力づけられTSMCとの格差を減らせるだろう。5ナノメートル(ナノメートル=1億分の1メートル)以下の製造プロセスで生産安定性確保が核心課題に浮上する見通し」と分析した。
例年より1カ月以上繰り上げて発売した「ギャラクシーS21」の反応も悪くない。事前予約が前作の「ギャラクシーS20」より20%以上多い30万台に達する。モデル別に14万~25万ウォン値段を下げたのが功を奏したと評価される。サムスン電子のチェ・ユンホ経営支援室長(社長)はこの日のカンファレンスコールで「(2023年までに計画された株主還元)政策期間内に意味ある規模の買収合併と設備投資拡大を推進する。買収対象をとても慎重に検討しており、これに伴い多くの準備ができた状態」と話した。
◇サムスンディスプレーなど関連会社も好業績
一方、サムスンディスプレーは昨年売り上げ30兆5900億ウォン、営業利益2兆2400億ウォンを収めたとこの日公示した。売り上げは前年より1.4%減ったが、営業利益は41%増加した。サムスンSDIは売り上げ11兆2948億ウォン、営業利益6713億ウォンで過去最大の業績を出した。自動車用バッテリーとエネルギー貯蔵装置(ESS)、小型バッテリー市場が成長した効果をみた。サムスンSDSは売り上げ11兆174億ウォンと営業利益8716億ウォン、サムスン電機は売り上げ8兆2087億ウォンと営業利益8291億3100万ウォンを記録した。