韓経:欧米の半導体企業の「ラブコール」にも…笑っていられないサムスン電子


半導体産業を育成しようとする米国、欧州連合(EU)、中国、日本など各国の競争が激しくなっている。最近世界的に拡散している半導体品薄現象の余波だ。半導体を適時に調達できなければ産業が揺らぎかねないという危機感も大きくなりつつある。

◇「半導体産業育てろ」各国が競争

ブルームバーグが14日に伝えたところによると、欧州委員会は最近最先端半導体工場をEU加盟国に構築するプロジェクトを推進している。EUはドイツとフランスの主導で最大500億ユーロを半導体産業に投資することを検討している。欧州各国政府は補助金、税金引き下げなどを通じて投資額の最大40%程度を企業に還元する計画だ。

EUの積極的な動きは域内の半導体生産施設が不足しているという判断から始まった。EUで2019年基準売り上げが100億ドルを超える半導体企業は極端紫外線(EUV)露光装備を作るASMLが唯一だ。

欧州にはオランダのNXP、ドイツのインフィニオン、スイスのSTマイクロなど車両用半導体とアナログ半導体などに強みを持つ企業がないわけではない。だがこれらの企業は生産能力が十分でなく、主に台湾のTSMCなどファウンドリー(半導体受託生産)企業に相当量の生産を任せている。

◇米国の半導体生産割合12%にとどまる

米国政府はさらに積極的だ。バイデン政権は世界自動車業界を襲った半導体不足の解決を最優先課題と考えている。半導体供給不足で米国の主要自動車会社の工場がストップするなど生産に支障をきたしている。ゼネラルモーターズ(GM)は北米地域3カ所の工場の減産を3月中旬まで延長した。

米国の半導体メーカーは自国での半導体生産を支援してほしいと要請する書簡をバイデン大統領に送ったりもした。インテル、クアルコム、AMDなど米国の半導体企業の最高経営責任者(CEO)ら21人は最近「補助金や税額控除などの形態で半導体生産のインセンティブに向けた財政支援をしてほしい」と要請した。書簡によると米国企業が世界の半導体生産で占める割合は1990年の37%から最近では12%と3分の1水準に落ち込んだ。

◇サムスン電子にあふれるラブコール

EUと米国は域内の半導体産業育成に向けた誘致対象企業としてTSMCとともにサムスン電子を挙げている。ブルームバーグは10日、「EUがサムスン電子とTSMCの参加を最優先で考慮している」と報道した。フランス財務省関係者は最近の会見で「TSMCとサムスン電子がプロジェクトに参加できる」と言及した。

あふれる「ラブコール」にもサムスン電子は気楽な状況ではない。海外に工場を追加で建設すれば過剰・重複投資の懸念が大きくなりかねないためだ。サムスン電子は現在京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)に第1工場(P1)を完工し、第2工場(P2)には最先端ファウンドリーとメモリー半導体生産ラインを構築している。

半導体業界関係者は「サムスン電子が米国やEUに工場を作った時、それに相応する注文が入ってくるだろうとはだれも豪語できない」と説明した。

3年以内に海外企業を買収合併すると公言したサムスン電子の悩みは大きくなっている。昨年末基準で純現金は104兆ウォンだが、20兆ウォン以上を投資して海外工場を作ればそれだけ買収合併に使う「実弾」が減る。

自国の半導体産業を保護しようとする流れが強くなればサムスン電子の買収合併に支障が生じる可能性も提起される。市場ではサムスン電子の主要買収合併対象にNXP、STマイクロ、インフィニオンなどの名が挙がっている。「アジアの半導体企業」を警戒している各国政府が企業結合審査で突っぱねれば買収合併が遅れたり白紙化される恐れもある。



Source link