韓国総合株価指数(KOSPI)が2%以上急落して3000ポイントを割り込んだ。米国債利回り上昇が投資家の不安をあおった上に香港の証券取引税引き上げの動きも悪材料となった。KOSPIが3000ポイントを割り込んだのは先月29日の2976.21から約4週間ぶりだ。KOSDAQ指数は3%以上下落し900ポイントも安心できなくなった。
24日のKOSPIは前日より2.45%(75.11ポイント)下落の2994.98で取引を終えた。外国人投資家が4300億ウォンほど売り越して指数下落を導いた。上海市場が1.99%、東京市場が1.61%、香港市場が2.99%などアジアの主要証券市場も一斉に下落した。この日ソウル外国為替市場でウォン相場は前日より1.6ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1112.2ウォンで取引を終えた。KOSDAQ指数は3.23%下落の906.31となった。
最近海外の金融市場では資金の巨大な流れが変化する兆しが現れている。昨年11月の米大統領選挙を山場として海外投資家の間で形成されたリスク資産選好の共感が弱まる様相だ。昨年末にはドル安、新興国通貨高が目立ち、海外大口投資家の多額の資金が各国の証券市場に押し寄せた。だが今年に入りドルは昨年末と比較して小幅な強気を見せている。反対にウォンは先月4日の1ドル=1082.10ウォンをピークに下落傾向に転じた。最近では1ドル=1110ウォン前後で取引されている。
こうした状況で米国債利回りの上昇は海外投資家に株式のようなリスク資産の投資比率を縮小しろとのシグナルを送る。昨年11月に年0.7%台まで下がった米国の10年物国債利回りは最近年1.3%台に上がってきた。米国の金融市場でドルを借りようとする需要は増えたがドルを貸そうとする需要はそれに満たないという意味だ。バイデン政権が莫大な国債発行を通じた景気浮揚策を予告した上に、新型コロナウイルスのワクチン普及が早まり物価上昇圧力が大きくなる可能性があるためだ。新韓金融投資のパク・ソクジュン研究員は「米国10年物国債利回りが今年の見通し上段である年1.5%に迫っているだけに韓国株式市場に短期的に負担を与える可能性が大きい」と話した。
これまで世界の投資家の間では米連邦準備制度理事会(FRB)が追加で金融を緩和し国債利回りの上昇を抑制するだろうという期待感があった。それでこそバイデン政権が大規模景気浮揚策を展開することも容易になる。だがFRBは投資家が望む方向に動いていない。FRBが当面政策金利を引き上げる可能性は高くないが、それでも追加で金融緩和をしようとしていない。FRBとしては中途半端に資金を追加放出して物価上昇圧力が耐えがたいほど大きくなる状況を懸念しているかもしれない。
韓国金融市場でも国債利回りが揺れ動いている。韓国政府が第4次災害支援金などを調達するためには大規模国債発行が避けられない。市場で国債供給が増えれば国債価格は下落(金利は上昇)するほかない。金融投資協会によると市場金利の指標となる3年物国債利回りは23日に年1.020%を記録した。24日には年1.006%まで下がったが、昨年8月に記録した最低点の年0.795%と比較すると依然として高い水準だ。24日の10年物国債利回りは年1.851%で締め切った。
メリッツ証券のユン・ヨサム研究員は「米国債利回り上昇を考慮すると韓国国債10年物利回り上段を年2%前後まで上がる可能性を開いておかなければならないだろう」と話した。
24日には香港が証券取引印紙税を0.1%から0.13%に引き上げるとのニュースが流れ、証券市場の投資心理がさらに悪化した。富国証券のイ・ウォン研究員は「米国債利回り上昇の負担に香港印紙税引き上げなどの問題が悪材料として作用したとみられる」と話した。