現代車アイオニック5、「マンアワー」に阻まれ量産計画決まらず=韓国


現代車が欧州で今月から販売する「アイオニック5」の生産について労働組合と量産の協議を終えていないことが確認された。自動車生産ラインに配置する勤労者数を決める「マンアワー(Man/Hour)」について労使の隔たりが埋まっていないからだ。労使間の量産協議が遅れる場合、4月に予定されている「アイオニック5」の国内販売日程にも支障が生じる可能性がある。

自動車業界によると、現代車労使はアイオニック5の組み立て工程に参加する蔚山(ウルサン)第1工場の勤労者数について協議中だ。現代車は新型(フルチェンジモデル)または部分変更(フェイスリフト)モデルの量産の前、労働組合とマンアワー協議をするよう団体協約に明示している。当初、現代車は昨年10月の労働組合説明会を通じて「1月3日までにライン工事を終えた後、2月中旬からアイオニック5の量産を始める予定」と公示した。現代車・起亜は普通、新車発売2カ月前にマンアワー協議を終える。

現代車労使がアイオニック5の量産をめぐり対立している理由は、内燃機関の車(ガソリン・ディーゼル)から電気自動車に変化している自動車産業の変化のためだ。アイオニック5は現代車グループの電気自動車専用プラットホーム(E-GMP)を初めて適用した。従来の内燃機関の車と比較して排気ライン、電線配置などがはるかに簡潔になり、車両組み立てに必要な生産職数(マンアワー)が減る。

労働組合の立場で電気自動車は雇用と直結する問題だ。今年1月にも蔚山第1工場ではアイオニック5のテスト ラインが停止した。生産職勤労者の一部が電気自動車の部品の外注化に反対し、ラインへの車体投入を阻止したからだ。昨年の団体交渉当時、労働組合は「電気自動車のPEシステム(Power Electric System)組み立てをラインでしよう」と要求したが、受け入れられなかった。PEシステムとは内燃機関の車の動力系(パワートレイン)の代わりとなる電気自動車駆動システム(モーター、減速機、インバーター、バッテリーなど)を意味し、現代モービスで生産する。

アイオニック5の公開当時、現代車は「国内では2万6500台、グローバル市場では7万台の販売を目標にしている」と明らかにした。アイオニック5は事前契約の初日、契約台数(2万3760台)が現代車の車種のうち過去最多となったが、会社内部では2017年のコナ事態が再発するのではという懸念も出ている。当時も労使のマンアワー協議が遅れ、コナの最初の量産日程と増産計画に支障が生じた。

現代車は「3月中旬にはアイオニック5の量産を始める。労働組合との協議にも最善を尽くす」と明らかにした。現代車労働組合の関係者は「難しいところがあるが、使用者側との生産協議は9部の稜線を越えた」とし「電気自動車なのでマンアワーが減り、組合員を説得している」と伝えた。



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