韓国型ロケット「ヌリ号」打ち上げ8カ月延期…不良部品が原因


2月25日午後、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターで韓国型ロケット「ヌリ号」(KSLV-2)の1段推進機関2次燃焼試験が行われている。[写真 韓国航空宇宙研究院]
2月25日午後、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターで韓国型ロケット「ヌリ号」(KSLV-2)の1段推進機関2次燃焼試験が行われている。[写真 韓国航空宇宙研究院]

当初先月の試験打ち上げが予定されていた韓国の国産ロケット「ヌリ号」(KSLV-II)の開発日程が遅延した背景に、ロッテグループ系列会社が納品した不良部品が影響を及ぼしていたことが確認された。韓国航空宇宙研究院は該当部品を他の中堅企業に任せて不良率を改善した。

科学技術情報通信部が7日に明らかにしたところによると、昨年9月~11月にヌリ号打ち上げ計画に対する総合点検をした結果、部品問題が明らかになり、国家宇宙委員会を開いてヌリ号打ち上げ計画を延期した。

この時、総合点検で問題になった部品は大きく2種類だ。ヌリ号最下段の1段ロケットと2段ロケットをつなぐ部品である前方胴体、ロケット本体とエンジンをつなぐ後方胴体だ。

前方胴体は薄く軽い繊維複合材を使って製作する。当初この部品は素材企業のデック航空が製造した。デック航空はロッテケミカルが株式の100%を持つロッテグループ系列の会社だ。

デック航空が納品した部品の不良率が問題だった。当時ヌリ号事業に関与した関係者は、「直径が3.5メートルに達する1段ロケットと直径が2.6メートルの2段ロケットをつなぐには部品の純度が重要だが、デック航空が製造した部品は内部に不純物が多く、ヌリ号の荷重に耐え難く耐久性が落ちるという評価を受けた。あまりに精密な作業のため製作過程である程度の不良率が出ることはあるが、デック航空の不良率は耐えられないほどだった」と説明した。

韓国政府は結局該当部品メーカーを韓国ファイバーに変更した。供給企業を替えてから2カ月後の先月25日にヌリ号は100秒間燃焼試験に成功した。

航空宇宙研究院は「規定によりデック航空に遅滞賠償金を請求した」と説明した。ただ契約金や遅滞賠償金規模は明らかにしなかった。

だがこの過程で1兆9572億ウォンを投じた国家宇宙プロジェクトが8カ月延期された。航空宇宙研究院は「ヌリ号打ち上げ延期による人件費と技術費予算は追加で確保したが、ハードウェア性経費は追加されなかった」と話した。

デック航空はヌリ号の他の部品製造も担当している。ヌリ号2段ロケットの後方胴体と1段・2段・3段ロケットのケーブルカバー、そして一部パネルの設計・製作・組み立てはそのまま進行中だ。航空宇宙研究院によると、デック航空が納品する部品のうち前方胴体を除いた他の部品の品質に大きな問題はなかった。

デック航空はこれに対し「ヌリ号開発事業は政府主導で多くの企業が同時に参加する国策事業。保安事項であるヌリ号製作過程については言及できない状況だ」と話した。

1段ロケット下段に取り付けられた75トン級エンジン4基を支持しロケット本体とエンジンをつなぐ後方胴体も問題だった。構造試験装備を通じて荷重テストをしたところ、この部品はヌリ号飛行時にかかる荷重300トンをやや上回る荷重がかかるとわずかにゆがむなど破損の兆しがあった。

この作業はS&K航空が担当したが、製造過程で問題はないと明らかになった。航空宇宙研究院は部品設計を補強した後にS&K航空に再製作を依頼した。

航空宇宙研究院によると、ヌリ号は多くの部品を手作業で進める。したがって部品を交換するにはロケットを相当部分解体した後に再組み立てする過程を経なければならない。部品2個のため8カ月遅延した背景だ。

韓国科学技術院(KAIST)航空宇宙工学科のタク・ミンジェ教授は「ヌリ号を独自に設計・製作する過程で体験した試行錯誤。メーカーを交替したり補強設計を進める過程で韓国企業が独自の技術力を確保することが重要だ」と説明した。

科学技術情報通信部の李昌潤(イ・チャンユン)マクロ公共研究政策官は、「技術的な問題でヌリ号打ち上げ日程が8カ月ほど遅れたが、先月1段ロケットの燃焼試験に成功し、研究院が自信を得た。これ以上韓国型ロケット事業が遅れないよう政府が積極支援したい」と話した。



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